犬のしつけ読本

動物病院での費用

動物病院での費用が総じて高いのは、人間のような健康保険制度がないからです。
人間の場合は、最低限必要と思われる治療や検査のための費用は、何割かの負担で済むように保険制度で保証されています。
犬にはこのような国家的な保険制度がないため、費用の全額を飼い主が負担しなくてはならず、自ずと高額になりがちです。

では、同じ病名で受診したり、同じような治療内容だったりしたにもかかわらず、病院や犬種によって、費用がずいぶんと違っていたという経験はありませんか?

それには大きく二つの理由が考えられます。
一つは、病名は同じでも治療内容が異なる場合です。
治療方法には、あらわれた症状を抑える対症療法と、病気の原因を取り除く原因療法とがあります。
対症療法によって治せる病気は、全体の70〜80%といわれており、残りの病気は対症療法だけでは治せません。
原因療法を行うには、その原因を徹底的に調べるためのさまざまな検査が必要になります。
犬は口が利けませんから、人間の医療以上の検査が必要になる場合がほとんどで、結果的に治療費も、より高額になります。

二つ目は、使用する用品や、各種の器具の違いのよる料金の差です。
小さなものでは、マスクや手袋、帽子、手術着などのその都度の消毒滅菌を省くだけでも費用は抑えられます。
また、手術内容が同じでも、麻酔前の検査を徹底するかどうか、手術室や各種モニターの使用の有無などでも費用は違ってきます。

犬に、どこまで検査をし、どういった治療を施すかは、飼い主の意志に委ねられます。
費用の面を含めて、獣医師と納得できるまで話し合うことが大切です。