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★「愚か者になる能力が必要である」☆

 「経営者には愚かしさに耐えて、時には愚か者になる能力が必要である」
 かつて慶応大学商学部の清水教授はこう言った。

 社長の条件は何か? と聞かれれば、普通は能力と答える人が多いと思う。
 しかし、清水教授は「愚か者」であることの必要性を説くのだ。

 じつは、この言葉の裏にはこんなエピソードがある。
 清水教授が愛知県の中堅メーカーに行った時の話。
 そこの社長がこう言った。
 「社員はわしが何か提案すると、よってたかって反対する。
  みんなわしをバカにするんですわ」

 しかし、怒ってはいない。ニコニコしている。

 「そんな時、社長はどうするんですか?」
 清水教授が尋ねると、
 「うん、反対させおいてね。もっとも悪い結果を想定している意見はどれか、
  探すんです。で、最悪の結果を招いても会社が潰れないとわかったら
  ゴーサインを出すんです」

 清水教授によれば、この社長は自由な議論ができる雰囲気を作り出すために、
 わざと愚かさを装っているのだという。

 「頭が良さそうに見せたり。やさいいことをわざと難しく言ったりする人に
 ろくな経営者はいない」
 清水教授はこう言う。

 この話は社長に限らず部課長クラスでも言えそうだ。
 人間は時には能力がないフリをすることも必要なのだろう。

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